むはー

うぇいくあっぷ完結。
打ち切りではないのでそこんとこよろしく。

「はあ?どっかで頭でも打った?
もう一発殴って元に戻してやろーか?」
「・・・まあ、そういう反応されるだろうとは思ったよ」
机の上に仁王立ちする起留と向き合い、俺は自分の気持ちを伝えた。
1人の異性として起留のことが好きだということ。
口に出してみると、自分でもおかしいんじゃないかと思った。
それでも、止めることはできない。
「冗談でもドッキリでもないし、俺は一応正気だ。
全部わかった上で言ってんだよ」
「・・・」
起留が少しひるむ。
俺が真剣だということは伝わったらしい。
どう反応すべきか悩む起留と、どう声をかけるべきか悩む俺。
「あ」
「おき」
・・・かぶった。何て気まずい。
「先に、言え」
「ああ。起留なら言わなくてもいいと思うけど、迷惑ならはっきり言ってくれ。
きちんとふられた方が気が楽だ」
「・・・つに、・・・ない」
「ん?」
「別に、あたしだって、あんたのことは、嫌いじゃ、ない」
起留が、途切れ途切れにつぶやく。
そして、それは。
「起留・・・」
「あーもう、鈍いやっちゃな!
1回しか言わないからよく聞け!
あたしもあんたのことが好きで!すごく嬉しかった!
以上!!」
大声で怒鳴り散らし、ふいっと背を向ける。
起留の返事は正直予想外のもので。
しかし、つまり、その。
「起留・・・」
「恥ずかしいんだからこれ以上しゃべらすなっ!」
振り向いた起留が机から跳躍し、木槌を振り上げる。
―――ゴガスッ
突然の襲撃にうろたえつつも、起留をしっかりと抱きとめる。
「わかった。そのまま黙ってていいから聞いてくれ。
俺も、すげえ嬉しい。
ふられるだろうと思ってたから、この展開は考えてなかった。
もっと気の利いたことが言えりゃいいんだけど・・・
とりあえず、その、ありがとう」
「・・・ん」
こうして、俺の特異な恋は成就し。
この小さな同居人と恋人同士となった。