いつものそれでお茶を濁す

ごめんよ、由乃
攻略不可キャラはこの辺りが限界だったらしい。


Like Life radio hour番外編・付き人×目覚まし時計+黒板消し

「あんだばだばだば!Like Life radio hour番外編アンダーバーサマーラジオ、略してだばらじ。
司会進行は、そろそろ打ち切りでもいい気がしてきた起留です」
「あんだばだばだば!この挨拶すごく久しぶりな気がします。消し子です」
「私が1人で出てもよいのじゃろうか。川上由乃だ。よろしく頼む」
「また面白い口調のが来たなー」
「む、そうかの?」
「口調が特殊なだけで性格はまともそうですけどね」
「んで、付き人って何なん?」
「島津家の令嬢である若菜様の付き人をさせていただいておる。
身の回りのお世話程度じゃが」
「ほほぅ。ってことは恋愛でも尽くす方?」
「そ、れはどうか、のう」
「動作だけはすごくうろたえてるんですけど、ラジオ的には伝わりにくいです」
「川上も割と奥手な感じか。いっちーと被る」
「つまりこう、照れたりする仕草が萌えるわけですね」
「何の話じゃ、何の」
「いやいや、サブキャラ人気ナンバーワンは伊達じゃないってとこかねえ」
「ですねえ」
「だから何の話をしておるのじゃ」
「どこかの誰かが由乃萌えな話?」
「名前ぼかしても簡単に特定できますけどね」
「むう」
「よし、困ってる顔で萌えてるだけじゃアレやし、お便り読むぞー」
「はい。前置き略。『恋人とかできたら若菜様とどっちを優先するんですか?
あと、結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?』」
「後半質問じゃなくて疑問符つけただけのプロポーズやん」
「ぬ、ん?」
「あー、前半とりあえず答えてくれりゃいいや」
「う、うむ。とは言え、若菜様と比較することがそもそも難しいと思うのじゃが……」
「適当に誤魔化すの無しな」
「ゲストさんはみんな通ってきた道ですから」
「うむ……いや、やはり若菜様を優先するじゃろうな。
私にとって最も大切な人は若菜様じゃからな」
「うお、言い切った」
「はっきりしろと言ったのは起留殿じゃろうに」
「まあ、いいんじゃないですか。由乃さん萌えな某人もご満悦ですし」
「アレはどっちの答えでも喜ぶんじゃね?
で、一応後半の答えも聞いとく?」
「な、や、そ、むう」
「……面白いな、これ」
「……ですねえ」
「そういったことはこういう場で話すことではないと思うぞ」
「ち。逃げたか」
「しかし、こういうことはじゃな」
「大丈夫ですよ。キレてうやむやにするゲストさんも過去にいましたし」
「あ、そだ。すごい気になってることあんだけど、いい?」
「今更ここで何を気にしてるんですか、起留さん」
「それもそか。川上さあ、ちょい『起留さん』って言ってみ?消し子っぽく」
「何のことかよくわからんが……んん、『起留さん』」
「おおー、似てる似てる。消し子も川上の真似してみ」
「そんなこといきなり言われても困るのじゃよー」
「……おぉ?」
「……私はこんな喋り方をしているととらえられているのかのう」
「何だか反応がひどいのじゃよー」
「あー、消し子。あたしが悪かった。川上がマジへこんでるからやめてやれ」
「そこまで言われるとこっちがへこみそうですよ」
「その、じゃな。声が似ているというだけで、真似るのが上手いかどうかは」
「川上、もうほっといてやれ。ものっそいぐだぐだだからそろそろ終わりにするぞ」
「それがよさそうですねえ」
「お相手は、鬼なんか豆無しで叩き出したるわ!起留と」
「若菜様!若菜様!消し子と」
「……。川上由乃じゃ」
「この番組は、暮らしを生暖かく見つめる、下総ノ宮商店街と、
島津、川上両家の提供でお送りしました」
「ちょっと結婚式っぽい言い方すんな」