ふぁー

しーずんずの甘いのが読みたいという電波を受け取ったので30分で書いた。
いつもより短い上に内容薄いです。
光司君と綾葉は別作品で頑張る予定なんでしーずんずは書かなくなります。多分。

俺の名前は空沢光司。
それなりに名の知れた大学に通う、大学一年生だ。
と、言うか今日が入学式。
新たな生活に胸を躍らせ、なんてのは俺の柄じゃないけど。


「入学おめでとう、光司」
「ん、ありがとう」
大学の構内。
入学式の直後に早速、高校時代からの恋人―――夜舞月綾葉に捕まった。
「これで光司も大学生かー」
「そうか。また綾葉先輩、って呼んだ方がいいのか?」
「むー……光司さあ、この1年で意地悪に磨きがかかったよね」
「仕方ないだろ。俺だって結構寂しかったんだ」
「でも素直にもなったからとんとんかな」
昔はこんな台詞、考えるだけでも恥ずかしかった。
俺も成長したってことだな。
「綾葉は……変わらないよなあ」
「えー、そうかな?」
「髪が伸びたくらいで、あとは高校生の頃のままって感じがするな」
「若いってこと?幼いってこと?」
「そりゃあもちろん、な」
これ以上成長されちゃ困る。色々。
「それに、相変わらず」
「つり目って言うの禁止ー」
「……読めてた?」
「うん。光司のことだもん」
「まったく、敵わんな」
今に始まったことじゃない。
敵わないのは、多分最初から。
「まあ、とりあえず……これからもよろしくしてくれ、綾葉」
「当たり前でもちろんだよ。こちらこそよろしく、光司」

―――綾葉との日常を紡ぎ続ける、三度目の春。