ミューさんハッピーバースデー!!

いやっほぉぅ!!
で、何を書いたかと言うと。


Like Life radio hour番外編・麒麟アダルト×目覚まし時計+黒板消し

「みなさんきみらじわ。Like Life radio hour番外編きみあるらじお、略してきみらじ。
司会進行は、やっぱり革命後サイズの起留です」
「みなさん、きみらじわー。またラジオって2回言ってる上にどこかで聞いたことある番組名ですね。
出番がなくならなくてよかった、消し子です」
「ご招待、感謝するわ。ゲストの久遠寺未有よ」
「おおー。何だかかっこいいですねえ」
「あたしらの知ってるどっかの御令嬢とはまた違った感じさね」
「さて、今回もどこからともなく送られてきたことになっているお便りを読むわけですが、その前に」
「あん?あたしが言うん?ったく、しゃーないな。
えー、『誕生日おめでとうございます、未有様。そしてすみません。
結局お書きすることができませんでした。深く深く深くお詫び申し上げます。
鞭でもミサイルでもどんなお仕置きでも覚悟はしております』……だとさ。
そこのブースの外にいるヤツからの謝罪文」
「そう……仕方がないわね。今の彼の頭の中は執事よりも恋愛授業に偏っていそうだから」
「もともと忠誠心以外は執事向きじゃないしなー。だらけるし」
「私の専属なら、忠誠心と熱意さえあれば問題ないわ。基本的に私は独りで何でもできるから」
「熱意は……ありますかねえ?」
「方向性にもよるっしょ。ミューお嬢の執事だったら嬉々としてやるんじゃない?」
「ですかね。こき使われるなら本望でしょうし」
「ミューお嬢がこき使うとも思えんけど」
「そろそろ先へ進めろ、と指示が出ているわよ?」
「アレは都合悪い合図みたいなもんだから基本無視で。
っても、ぐだぐだやってるだけじゃアレやし、お便りいくぞ、消し子」
「はい。最初のお便りはラジオネームAYAHUYAさん。常連ですね」
「1人しかいないという説もあるがな」
「『発明で稼いでいるそうですが、その天才的頭脳があればもっと壮大な人類の夢も実現できるのではないでしょうか。
具体的には巨大人型ロボットとか』」
「巨大な金属の塊を2本足で支えるのはオススメできないわ。重心が安定しないのは致命的ね。
用途にもよるでしょうけど、人型はデメリットが大きいのではないかしら」
「マジレスしやがった、このお嬢」
「大人のジョークよ。ロマンとしては分からなくもないけれど、私のMEISEKIな頭脳をもってしても難しいのは確かね」
「それでも無理とは言わないんですね」
「学習するAIをデニーロのサイズまで落とすことを考えれば、人間の動きを模したロボットの方が簡単だと思うわ」
「そういや既に非常識の世界の住人だっけか」
「あなた達に比べれば至極真っ当な世界に生きているつもりよ?」
「……何か言われてるわよ、自律黒板消し」
「……そっちのことじゃないですか、巨大化した目覚まし時計さん」
「気に障ったのなら謝るわ。普通の人間だ、とだけ言いたかったのよ」
「あー、いや、素直にそう返されると困るな」
「しっかりした大人っていうのは周りにいないタイプですから、絡み方考えないとですねえ」
「メイドぐらいか、しっかりした大人」
「あとはトウカさんとか……しか思いつきません」
「なかなか偏った環境のようね。まあ、私も人のことは言えないかしら」
「職業:自宅警備員だっけ?」
「手元の資料ではフリーターになってます」
自宅警備ばかりしていたのは否定しないわ。理由があるとは言え、言い訳にしかならないもの」
「自分に厳しいですねえ」
「自虐ばっかの誰かに見習って欲しいもんだ」
「彼には彼なりの生き方がある、ということよ。そんな比較に意味は無いわね」
「別にフォローしなくてもいいんじゃね」
「主催者さんが触れてもらってすごく嬉しそうなので次のお便りにいきましょうか」
「んっと、ラジオネーム凱王。面倒だからツッコミ無し。
『お背中を流させていただいたり、添い寝をさせていただいたり。
何か執事より家族に近いものがあると思うのですが、やはりそういう方向がお好きなのでしょうか。
むしろ家族にして下さい』」
「そうね。意識しているわけではないけれど、その通りなのかも知れないわ。
執事らしい仕事が私に必要ない、というのもあるかしらね」
「最後の1行はスルーですか?」
「プロポーズは直接するべきだと思うわよ。
気持ちだけはありがたく受け取っておくわね。チュッ」
「出た。伝家の宝刀、投げキス」
「大人の対応は流石の一言に尽きます」
「よーし、3通目だから次最後な」
「そうですね。ラジオネーム凱王さん。こんなの書いてるヒマがあったら1本書いてはどうでしょう」
「さらりとひどいこと言うやっちゃな」
「『改めて、誕生日おめでとうございます。
お仕えする立場として、未有様の前途が明るいものであるよう心よりお祈りいたします。
未有様に何かあれば身命を賭す覚悟も』……難しい言葉ばっかりで面倒ですねえ」
「職務放棄すんな。ざっくりと中略して、『無窮の愛と忠誠を贈らせていただきます』
暑苦しいっちゅーか堅い文章が似合わん」
「ありがとう、と一言で済ませるのは可哀想ね。後で少し個人的にお話しましょう」
「そう言えば、何で“ミューさん”じゃなくて“未有様”なんでしょう?」
「従者としての矜持、ではないかしら。呼称は最も対人感情が表れやすい部分だもの」
「それだけマジの忠誠ってことだろーな。本気と書いて消し子で消す」
「チョークじゃないと消せませんよ」
「……マジと読むのではなくて?」
「消し子はミューお嬢を見習え。あんたの的外れなツッコミのせいでどれだけのボケが死んでいったか……!」
「それなら次回から相方チェンジしますか?苺先生かミューさんに」
「…………消し子。あたしが悪かった」
「いいコンビね。仲がいいのは大事なことだわ。お互い、大事になさい」
「ですって。起留さん」
「そうやってあたしを責めんな。この番組で責められるのは外のヤツって決まってんだろーが。
あたしはそれで悦ぶ趣味なんかないっちゅーに」
「起留さんがそんなこと言うから、そろそろお別れの時間です」
「あ、マジで?じゃあその前にあたしらから一言」
「「ミューさん、誕生日おめでとう」ございます」
「ありがとう、2人とも」
「ん、綺麗にまとまったとこで終了」
「ですね」
「お相手は、いい夢見ろよ!起留と」
「コンビ解消されず一安心。消し子と」
「ゲストの久遠寺未有でした」
「この番組は、暮らしを生暖かく見つめる、下総ノ宮商店街と、
久遠寺家の提供でお送りしました」
「どこに関わっとんじゃ、あの家」