FD外伝

正式タイトルは
Fighting Doll Another Episode "Queen and Knight"。
長いね。FDAEとか略すといいと思うよ。えふだえ。

「う〜む」
「あにうなってんのさ?
ついに人間の言葉忘れたん?」
「ついにって何だ、ついにって。
ったく。上から機体の強化改造案が回ってきててな」
「それがどうしたってのさ。こっちとしては助かるんちゃうん」
「まあ、これを見りゃわかるよ」
少し横に動き、PCのモニタをあゆに見せる。
「ん・・・『宙間戦闘能力強化』『砲撃戦特化』『ステルス性上昇』
・・・あにさ、これ」
「現場のことなんか考えずに趣味に走るメカニックがいるってこと。
こっちの意見を少しは聞こうって気はないのかね」
下っ端はつらいね、まったく。
「こんなんつっぱねてもっといい案出してやりゃええやん」
あゆがモニタを眺めたまま簡単に言い放つ。
「そうは言うがね・・・専門家に対抗できるか、普通」
「あにあほなこと言ってんのさ。
向こうは単なる機械の専門家で、こっちは戦闘の専門家さ」
「む・・・」
説得力があるようなないような。
「とにかく、遠慮なんかせんで言いたいように言ってやりゃいいのさ」
「そこまで言うんだったら何かあるんだよな」
「そうやね・・・とりあえず、射撃が下手なあほの為に全体的な装弾数の上昇。
わざわざ殴りかかるあほの為に接近戦武装の強化と高速機動時の旋回性能の向上。
そんなとこかしら」
すらすらと問題点を指摘するあゆ。
機体のではなく俺の批判になってるのは多分気のせいだ。
「ふむ。じゃあ一応上に送っておくか」
カタカタとキーボードを打ち、あゆの意見を具体的な形にしていく。
最後にあゆの名前を入れて送信。
元はあゆが言ったんだし、こっちの方が受け入れられる可能性は高いだろう。
俺が上に目を付けられるのが嫌だってわけじゃない。うん、決してそんなことはない。
「これでよし、と。んじゃ、そろそろ寝るか」
「ん」
PCの電源を落とし、伸びをする。
俺が言える立場じゃあないんだろうけど、
できれば強化改造なんて必要ない方がいいんだよな。だるいし。






*次回予告*
俺達の前に現れた謎の男。
巨大ロボットを駆り、あゆの命を狙ってくる。
だが、俺達だって簡単にやられはしない。
2つの機体と信念が激しくぶつかり合う!
新連載、Fighting Doll Another Episode "Queen and Knight"
1st fire 『機・神・衝・突』
―――貫け、奴よりも速くッ!

つーか、次回予告書きたかっただけなんですよね。最初は。
まあ、昔書いたのと細部は異なってますが。
まとめページ作るときに色とかそういうのはちゃんとします。多分。