またうぇいくあっぷ。
FD書けって意見は無視しましょう。っつーかないよね。
「話って何よ?」
放課後の屋上。
椿に相談しようと呼び出したわけだが。
「黙ってたらわかんないでしょ」
どこから話すべきか少し悩む。
「アンタ、最近ちょっとおかしいわよ。
授業中も何か上の空だし」
「・・・よく見てるな」
「そ、それはその、隣の席だからよ。
そんなことより、さっさと話しなさい」
「ああ。実は、な・・・」
俺は、思い付くままに語った。
俺の起留への想い。
起留がモノであるが故の葛藤。
途中からは、自分でも言ってることが支離滅裂になっていくのがわかった。
それでも椿は、黙って聞いてくれた。
「・・・ふぅん。大体話はわかったわ。
それで、アンタはどうしたいの?」
「それがわかんねーから困ってんだよ」
「自分の気持ちなのに?」
「自分の気持ちだから、だ」
「・・・」
口に手を当て、考え込む椿。
「もし、相手が結未だったらどうする?」
「そりゃあ・・・告白、とかするんだろうな」
「じゃあ、絆だったら?」
「変わらねーだろ、そんなの」
結未や絆が相手だと今更って気もするが。
「なら、何でその起留ちゃんにそうしないの?」
「・・・それは」
「人間じゃないから。擬人化したモノだから。
確かにその通りよ。
でもね、精神的には普通の女の子なの。
笑ったり、怒ったり。恋したりもする。
だからこそ、アンタだって好きになったんじゃないの?」
真剣な顔で語る椿。
「モノだからって特別な目で見ないで。
1人の女の子として扱ってあげなさい。
それが、一番だと思うわ」
「・・・そう、だな」
椿の言う通りだ。
俺は起留が目覚ましだから好きになったんじゃない。
起留が、起留だからだ。
「ありがとう、椿。
やっぱりお前に相談して正解だった」
きっちりと頭を下げる俺に、
「ん、今度何かおごってくれればそれでいいわよ」
いつもの調子でたかる椿。
「げ、まじか」
「いいでしょ、そのくらい」
「わーったよ。俺も助かったしな。
んじゃ、そういうことで俺はもう行くわ」
「そう、じゃあね」
別れの挨拶を交わし、椿に背を向ける。
「・・・ごめんね、椿」
風に乗って耳に届いた呟き。
それは単なる空耳だったのだろうか。