どこかの誰かの誕生日

いまいち頼子が書きにくい件は愛でカバー。
消し子の方が動かしやすいのは何なんでしょうね。


名無しの主人公×(目覚まし時計+コピー機

「ちょりーっす。らじおのような何か、司会はいつも通りに起留ちゃんよ」
「こんにちは、あるいはこんばんは。ようやく司会にも慣れてきた気がします、頼子です。そして」
「うぃーっす。ゲストの名無し・中の人=シフトでござるよ」
「初の男性ゲストですね」
「中の人って何さ」
「名前のない主人公は全部“俺”なんだけど、一応原作の設定を踏襲してたりしてなかったりするわけだ。
ヒロインが起留ならツッコミ寄りの和真=シフト、頼子だったらメガネのあっきー=シフト。
おみっちゃんなら一人称が僕の明=シフトで、由乃だったら鈍感な匠=シフトって具合にな。
んで、今回は誕生日で主役の中の人の代理ってとこさ」
「ふーん。どうでもいいっちゅーことやね」
「その通りではあるけど身も蓋もねぇな」
「それで、ですね。いつものおたよりがありませんので、ゲストさんのリクエストに私たちが応えてみようかと」
「え、まじで?何であたしらがやんなきゃならんのさ」
「まあまあ。誕生日プレゼント、ということですよ」
「ち。妙なことは考えんじゃないわよ」
「では、どのようなことがお望みですか?」
「んー、そうだのう。文字のみっつー表現媒体に向いてなくて恐縮だが、前後から挟まれて手当たり放題に癒されたい」
「・・・ま、クリスマスの罰ゲームみたいなアレよりマシか」
「そうですね。やっぱりちょっと恥ずかしいですけど」
「じゃあ、まずそこ立て」
「うぃさ」
「私は後ろからいかせてもらいますね」
「げ。あたしが前?」
「げとか言うな」
「こ、こうでいいですか?」
「もっとぎゅってしていいぞ」
「だらしない顔んなってるわよ」
「この状況で無表情でいるやつは男じゃねぇと思うわ。
うん、これは・・・癒される」
「あったかいですねー」
「ふー・・・って髪を撫でんな」
「ひゃっ」
「あ、今頼子に何した!」
「ちょっと手を握っただけだよ」
「いきなりでびっくりしました」
「むー」
「堪能してんだからあんまツッコまないでくれ」
「へいへい」
「・・・」
「ふぃ〜・・・」
「・・・ぇぃゃ」
――コン
「何で殴った今」
「何か寝そうだったし?」
「いや、まぁ、寝たくなるくらい心地良いのは否定しないけどな」
「もう終わりだ終わり。座っとき」
「そんな照れんなって」
「そういう起留さんは新鮮です」
「・・・もう一発欲しいんか」
「積極的に遠慮させていただく」
「キリもいいことですし、いつものやつで締めとしましょう」
「こいつにもやんの?しゃーないな、せーの」
「「誕生日おめでとう」ございます」
「うあー、ありがとうありがとう。誕生日祝われてこんな嬉しいのは初めてかも知れん」
「寂しいやっちゃな」
「お、起留さん。そういう言い方はダメですって」
「ん、よし、終わり。お相手は、いっそのこと暁まで起きてろ!起留と」
「みんなでお花見とか行ってみたいです。頼子と」
「起留も頼子も俺の嫁。名無しの主人公でございましたですよ」
「この番組は、暮らしを生暖かく見つめる、下総ノ宮商店街と、幸せは続いていく、船見学園生徒会と、
だらけた日常をお届けする、BlueMeteorの提供でお送りしました」
「最後は提供っちゅーか主催じゃんか」